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fifteen

「明日会おう。」「おやすみ。」

はなればなれ 恋のはなし

「誰か」が溢れる街を ひとり掻いていく

あなたから溶け出すものを わたしが掬おう

このままどこか遠く あなたを抱いたままで

「潜ろう。」深く光溜まる場所へ

何かを諦めて 「もう忘れたよ。」と

繰り返した先に あなたはもういない

明日を求め走る背中を 過去は繋いではくれない

「いつか会おう。」「おやすみ。」

ひとつひとつ 灯は消えてく

「誰か」と寄り添う日々を あなたは過ごす

大人になるその時に わたしは気づく

湖面を漂う月のようなその瞳が未来の残酷さで 穢れること

話をして欲しい あなたの夢の

現在の私じゃもう 叶えられないけど

果ては別れ それとも狂気か わたしは独り想う

何一つ落とさず 全て水の中へ

「忘れたものはそう。死んだと同じ。」なんて

あなたには言いたくないかな

わたしが生きていい理由は わたしがあなたを思い出すから

きっとそれだけなのだろう

​だからさ

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